あなくろ備忘録

投資も含め、自分が気になった事や調べた事を綴るだけです

MSワラントとは

さて自分語りも済んだので今日の本題。

まずはこちらの2銘柄のチャートをご覧ください。

 

[6879]イマジカG 

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[4572]カルナバイオサイエンス

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どちらもMSワラント発表後翌日にS安に張り付いています。

今日の議題はMSワラントについて調べてみました。

 

そもそもMSワラントとは

正式名称「Moving Strike Warrant」(頭文字のM・S・ワラントでMSワラント)、

日本語訳は「行使価額修正事項付新株予約券」の事です。

内容は「常に買い手が有利になるよう価格変更が可能な新株予約権と思ってもらえば差し支えありません。

 

そもそも新株予約権とは何ぞや?という方のために補足。

読んで字の如く「会社が新しく発行する(もしくは会社が保有する)株券を購入予約する権利」の事。

主に募集をかけた時点での終値から何パーセントか差し引いた額を募集価格とし、公募を募るのが一般的です。

 

ではなぜ企業は新株予約権の行使を行うか。

企業は貸付による負債では無い、利息支払いが発生しない資金調達を目的とします。

また流通株式数を多くする事によりTOB(公開買い付け)による買収を阻害するなど、メリットは様々だと言えます。

もちろん一般株主にとっても企業の株を安く買えるチャンスです。

行使期限までに行使価格を下回った場合は行使をしないという選択肢も取れます。

(権利に対する手数料があり、行使しない場合は手数料が没収されますが)

 

上を見るだけならいい事づくめかもしれません。

ではなぜ株価が急落するのでしょうか。

 

答えは簡単です。

流通株式数が増大する事による価値の低下、すなわち「希薄化」を恐れるからです。

 

一般的な流通と同様、株にも市場価値が存在します。

手に入りづらいもの程高価に、手に入りやすいもの程低価になるのはどの業界も同じだと言えるでしょう。

ましてや新株予約権の行使によって流通価格よりも安く購入した投資家が何をするか、想像に難くないと思います。

 

「安い時に買い、高い時に売る」

まず大抵はこれをやってくると思って間違いないと思います。

更に行使価格まで下げる可能性が高いと見て空売りしてくる投資家や機関も居ます。

既存の株主はそういった下落を恐れて我先にと売り急ぎます。

 

それこそとてつもなく大きな事業の着手に於ける資金の調達など、後の会社の大きな発展に繋がるという楽観的な理由なら買い集める投資家との殴り合いが始まって一時的な下落で済み、むしろ反動をつけて大きく上昇する事もしばしばあるようです。

また行使前に世界情勢悪化などで全体的に株安に傾き、万が一行使価格を下回った場合に行使を行わないという事も十分あり得るので、必ず行使されるとは限らないという思惑もあります。

なので新株予約権の公募を発表した所でさほど株価に影響を与えないケースも多いそうです。

 

ここまでは新株予約権の話。

ここからMSワラントの話に移行します。

 

大きな違いは価格決定について

通常の新株予約権は「〇月×日 1000円にて行使」(金額は仮)と決定するのに対し、MSワラントは「上限もしくは下限価格を設定」した上で「発行価格決定日の株価×0.9」とするのが一般的なようです。

例として今回イマジカGが発表した内容を挙げます。

 

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内容としては

「行使価格は650円を設定」しつつ、

「行使日の直前取引日の終値の92%を最終的な価格」とし、

「ただし終値が下限行使価格の390円を下回った場合は下限行使価格」とする。

(第三回を参照)となっています。

 

つまり390円を下回らない限り下落はいくらでも有り得るという事です。

となると実際どういう事が起こるか。

 

単純な話です。

権利を受けた機関や投資家が下限行使価格まで空売りを仕掛けてきます。

だれでもそうするでしょう、ノーリスクですから。

 

ここでもイマジカを例に上げます。

条件は上の通りで8/1に10,000株の行使が確定している状況です。

7/12の終値はS安の552円、仮にS安で空売りを10,000株仕込んだとします。

(何度かは剥がれているので現実としてはあり得ます)

 

ここから空売りを積み重ねてどんどん下落させていきます。

ホルダーの狼狽売りもあるでしょうから、ちょっと背中を押してあげれば雪だるまでしょう。

 

行使終了の際、それほど業績の悪い企業でない限りリバウンド狙いで買いが入りやすいので、行使直前に空売りのポジションを外し、行使後は上昇したタイミングで現物を売り捌けば往復取り完了です。

 

例えば

400円まで下落した翌日に行使、行使後430円のリバウンド時に行使分を売却した場合

552円−400円=152円×10,000株=1,520,000円の空売り利益に加え

400円×0.92=360円(下限は390円なので)、390円×10,000株=3,900,000円で株を購入し、

430円−390円=40円×10,000株=400,000円の売却利益を得ます。

こうする事でリスク無しに192万円という大きな利益を得ます。

 

勢いがつきすぎて下限行使価格を下回りそうなら、行使を行わないか、390円に更に10,000株の空売りを重ね、行使後に現引きで現物との相殺を行います。

 

万が一バーサク状態の株主が多くて552円を上回りそうな場合は、行使までのんびり待ち、行使後に現引きで相殺すればいい事です。

 

リスクはほぼ無いと言えるでしょう。

そしてここまで読んでみるとわかりますが、下がる可能性が通常の新株予約権よりも高いと言えます。

何故なら「価格があって無いようなもの」だからです。

いくらまで下げるかわからない株を持ち続けるリスクは計り知れません。

ましてや既存株主に対しての愚弄と取る人も多く、イメージは非常に悪いです。

 

空売りに抵抗の無い方に取っては逆手に取るチャンスかもしれません。

条件をキチンと読み、値幅が取れると判断したなら空売りしてみるのは十分にアリだと思います。

 

また前日PTSでS安で買い集めて、リバ取りに行くのも一つの手だとは思います。

ただ自分もS安張り付けの銘柄でリバ取りの買い参戦して、翌日もう一回S安張り付きを喰らった苦い過去があるので、MSワラントでのS安銘柄に買いは入れられないですね…怖い怖い。

 

という事で今回はMSワラントのお話でした。

間違ってはいないと思いますが、もし間違ってる所がありましたら勘弁してください…

 

 

ではまた明日。